関孫六 和包丁シリーズ

青紙鋼 AOGAMI

匠の業が息づく、
一点もの和包丁。

伝統の職人技と革新的な技術力から生み出された、
関孫六和包丁のハイエンドモデル。
耐久性と切れ味にこだわりを持ち、熟練の職人の手により
一丁一丁、丁寧に仕上げられた和包丁です。

素材の味を
引き出す
鋭い切れ味。

和包丁は、日本刀を起源とし、その類まれな切れ味で世界中の料理人を魅了しています。洋包丁が両刃なのに対し、和包丁は片刃が主流です。この片刃構造により、食材を切る際に刃先が自然に左へと切り込み、切れた食材が刃からスムーズに離れるため、素早く効率的にきざむことが可能です。また、鋭い切れ味は、素材の断面を傷つけることなく美しく切り取ることができるため、料理の見た目にも大きな影響を与えます。断面が美しいだけでなく、素材の組織を壊さずに切れるため、食材の持つ風味や食感を損なうことなく、最大限に引き出すことが可能です。刺身や薄造りなど、繊細さが求められる日本料理でその真価を発揮します。

○ 和包丁の特徴

柄(え), 口金, あご, 峰(みね), 刃先(はさき), しのぎ筋, 切っ先

匠の業で
創りあげる
一点工芸。

青紙鋼シリーズの和包丁は、熟練した職人が丹精込めて一つ一つ手作業で仕上げた、まさに芸術品です。高温で熱した地金を繰り返し叩くことで、分子が緻密に整えられ、強靭な刃が形成されます。強靭であるが故に繊細な刃付けが可能になり、これにより鋭い切れ味が実現します。荒研ぎから手研ぎ、さらに細やかな研磨まで、すべての工程に職人の技が注がれ、一本ごとに最高の仕上がりを追求しています。徹底的にこだわり抜いて造られた包丁は、料理の楽しさを引き立て、世界中のプロフェッショナルたちに愛用されています。

○ 製造工程

1.鋼付け

熱した地金に硼酸、硼砂、酸化鉄などを使い鋼を接着します。再度炉で熱しハンマーで叩きながら完全に接着させていきます。

2.先付け

地金と鋼が完全に結合したら、ベルトハンマーを使いながら徐々に包丁の形に近づけていきます。

3.焼きなまし

藁灰の中で一昼夜ゆっくり冷やして鋼を均一な組成にします。

4.寝し

包丁の成分を安定させるため、しばらく寝かせておく。同時に、包丁に傷や接合ミスがないかを確認します。

5.断ち回し

打ち上がった包丁を形に合わせ、余分な部分を切り取ります。

6.荒たたき

冷めた地金を何度も叩くことで、分子が細かくなり、切れ味が向上すると言われています。

7.焼き入れ

刃に泥を塗り乾かした後、800度前後まで熱し一気に冷却。鋼をより硬くします。

8.焼き戻し

鋼に粘りを持たせる為に再度200度位に加熱した後自然に冷ましていきます。

9.荒研ぎ

自作の道具である研ぎ棒を使用し、回転砥石で包丁を研いでいきます。

10.本研ぎ

荒研ぎを終えた後、実際に切れるようにするために、さらに薄く研いでいきます。

11.歪みとり

鍛造によって生じた、包丁の歪みを取り除きます。

12.バフ仕上げ

刃に光沢を持たせるため、回転バフと呼ばれる研磨布を当てて仕上げていきます。

13.木砥あて

松の木を用いた木砥(木製の回転砥石)で刃に艶を出します。

14.ぼかし(化粧研ぎ)

砥石の粉を粘土状になるまで練り、それをゴムや木片に付けて、刃に擦りけ波紋をつけていきます。

15.仕上げ研ぎ

包丁の状態を確認しながら手研ぎで仕上げていき、最高のポテンシャルを引き出していきます。

16.銘打ち

仕上げ研ぎを終えた包丁にタガネを使い関孫六の刻印を打ち込みます。

17.柄付け

包丁の中子(なかご)を熱して、柄に差し込みます。柄の底を木槌で叩きながら、持ちやすい角度に調節します。

関孫六とは

日本最大の刃物の産地「岐阜県関市」は、鎌倉時代から刀鍛冶にとって最適な環境として知られ、この地で多くの名匠が育ちました。その中でも、2代目孫六兼元は「関の孫六」として名高く、独自の鍛刀法から生み出される「関の孫六」の刀は、見た目にも美しく、頑丈で、抜群の切れ味でした。「折れず、曲がらず、よく切れる」を体現した「関の孫六」の業と心は、その名と共に受け継がれていきました。

貝印は、この伝統的な技術と精神を受け継ぎ、現代の最新テクノロジーを融合させたブランド「関孫六」を創り出しました。名匠の生み出した圧倒的な品質を目指し、試行錯誤の末に開発した製品は、芸術品のような美しさと鮮烈な切れ味が特長です。匠の業とテクノロジーを掛け合わせることで今もなお進化しながら、世界に発信し続けています。

鋼材について

青紙鋼AOGAMI

青紙2号(炭素含有量1.05~1.15%)

不純物の少ない炭素鋼(白二鋼)に微量のタングステンとクロムを加えることで、驚異的な硬度と耐久性を実現した鋼材です。この特性により、刃の切れ味が長く持続し、料理の際には繊細で精密な作業が可能になります。他の鋼材と区別するために青紙が貼られていたことがその名の由来と言われています。

関孫六 青紙鋼の種類

  • 出刃包丁

    用途:魚を捌く

    魚の下処理に適した厚みと重量を持つ和包丁です。特に骨を切る際に力を発揮し、頑丈でありながら切れ味も鋭いのが特徴です。

  • 柳刃包丁

    用途:刺身を引く

    刺身を引くために特化した和包丁で、長く細い刃が特徴です。切れ味が非常に滑らかで、食材を潰さず美しく仕上げることができ、刺身包丁として呼ばれる場合も多いです。

  • 切付包丁

    用途:野菜や魚の切り身や刺身を切る

    柳刃と薄刃の兼用として刺身や野菜などの幅広い食材に対応可能な万能包丁として使用されます。刃先が直線的で薄く、細やかな作業に適しています。

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